小倉昌男 経営学(小倉昌男著)の感想

小倉昌男著の「小倉昌男 経営学」を読んだ感想です。

コチラの本を読んだのは、数年前なのですが、
読むきっかけになったのが、その頃、仮説思考やフェルミ推定に関する講義を受けまして、
その講師の先生からの紹介でした。

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この著者の小倉氏は、誰もが知ってる運送業社ヤマト運輸の2代目です。
その小倉氏が、初めて自著として出したのが、この「小倉昌男 経営学」です。
初版は1999年で、小倉氏が、父の康臣氏の経営する大和運輸(当時)に入社して、
今のヤマト運輸まで会社を躍進させていく中での苦労やアイデアなど、
経営の考え方が詳細に記されています。

さて、読みきっかけの話に戻るのですが、本の中に出てくるのですが、
全国で運送業を展開していく上で、果たして、どれだけの営業所が必要になるのか?
という、まさにフェルミ推定による解決が必要な課題に直面したわけです。

最初は日本地図から、各地域を区分けしていき、それに対して営業所を配置する、という考え方にしたそうです。
地図を広げて、コンパスで隣同士被らないように円を描いていく感じをイメージしてもらえば分かると思いますが、膨大な時間がかかりますよね。。
さて、どうやって仮説をたててアプローチしていったんでしょうかね。
今のクロネコヤマトの基盤となったスタートが描かれています。
実際に本の中で確認して頂ければ、納得されると思います。

本の構成は、
第1部 牛丼とマンハッタンー宅急便前史
第2部 サービスは市場を創造するー宅急便の経営学
第3部 私の経営哲学

と、大きく3つの構成になっています。

三越との決別、個人宅配事業の立ち上げ、運輸省との闘い、労働組合とのやり取り、トヨタとの開発など、とにかく細部までしっかり描かれていて、小倉氏の苦悩や信念、考え方に触れることができます。
中でも印象に残っている1つとして、
「サービスが先、利益は後」という考え方を打ち出し、
全社員にその考えを啓蒙し徹底させた、というのには面白いなー、と考えさせられました。
サービスを徹底しろ、というのは良く聞きますが、
そこにあえて、利益を後回しにしろ、という言葉も付ける、というのは斬新だな、と思いました。
もちろん、そこにも色々と意図があるんですね。
詳細は是非、読んでみて下さい。

さて、私の感想は、もちろん読んで良かった!
むしろ、オススメですね!
単純にヤマト運輸の史実の物語としても面白いです。
経営の勉強にも、1つの会社のこれまでの歩みの物語としても読んで楽しめると思います!

以上、「小倉昌男 経営学」の感想でした。

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